「ローカルビジネスの未来をつくる」 という企業パーパスに向けて

事業と組織の成長を同時に実現する組織変革デザイン

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J-Startup新潟においてロールモデルベンチャーに選出されているクーネルワーク。ローカルビジネスの未来をつくるため、主力サービスである「新潟直送計画」を軸とした更なる事業拡大を見据えて、組織成長に伴う課題解決に取り組むことにしました。

ポイント

  1. ボードメンバーとチームリーダーで創業ストーリーを紐解くことで、事業スタートの原点を共有
  2. 経営目標の数値に込められた「意味」や「価値」を再解釈し、更なる事業拡大の計画シナリオへ反映
  3. 成長路線の経営目標を継続して達成していくため、成長期の組織課題をスピーディに解決するマネジメント体制の構築
  • 課題

    ローカルビジネスの価値を再発掘し、全国へと伝えるサービス「新潟直送計画」を展開する同社。コロナ禍でEC市場が加速したこともあり、時流を逃さないスピーディーな組織運営を行う必要があった。
    将来的な事業成長に耐えられるようなマネジメント体制を整えるべく、プロジェクトをスタートした。

  • 実施したこと

    プロジェクトスタート時に、社員インタビューを実施し組織課題を整理。経営陣とリーダークラスで、創業ストーリを紐解いたうえで、なぜこの事業を行うのか、何を目指すための経営目標か等「意味」を問い直した。それらを踏まえて、事業計画と推進体制の構築、マネジメントやコミュニケーションプロセスを見直した。

  • 結果

    事業はFY2020の経営目標を達成し、昨対150%の事業成長を実現。「直送計画」の山形への進出やリアルショップ「kitamae」のオープン。新サービス「mock house」をリリースし、更なる事業拡大へ向け動き出している。経営の意思決定と現場での目標推進が相互連携できる体制に向け、今も動きながら挑戦中だ。

語り手

谷 俊介
株式会社クーネルワーク
代表取締役
野村 淳一
株式会社クーネルワーク
直送計画事業部 部長
水澤 純
株式会社クーネルワーク
プランニングチーム マネジャー

創業時より組織が急拡大。“ホームラン狙いの組織運営”から“組織で勝つ運営”へ変革が迫られていた

創業から5年。徐々に売上も社員も増え、組織のあり方を見直す必要を感じていました。社内外から「今後の展望が見えない」「社長が全部手を出すのか」など不安の声も聞かれ始め、次期マネジャー層の育成や権限移譲などが急務でした。
創業時はホームラン狙いのような状態でしたが、今後はチーム主導で計画立案や目標達成できる組織を作らないといけない。今後の事業成長に対応できる組織づくりをしたいと思ってました。(谷)

コロナの影響でEC市場も伸びていく段階で、当社としても売上を4億から7億へ拡大させていきたいと考えていたタイミングでした。そのためには今までの経営主導のやり方では限界で、現場主導の動きにシフトする必要性を感じました。(野村)

私は入社直後だったのですが、まず感じたのは情報格差です。良い事例があっても組織内に共有されていない勿体なさを感じていました。だからこそ、今が変革のタイミングだろうと感じました。(水澤)

社員インタビューの声から、組織変革プロジェクト始動を決意

2020年9月に社員インタビューを実施しました。現場から「どこを目指している?」や「目標数値の背景や意図が見えない」などの声が上がり、自分としては伝えているつもりだったことが、現場にうまく伝わってないことが分かりました。またマネジャーまで伝わっていても、メンバーにも伝わらないのでは意味がないため、マネジャー育成の必要性を感じました。

大きく社員の意識を変えるためには、自分がビジョンを語るだけでは限界だと感じ、外部を活用することを思いつきました。身内の距離感ではない第三者から権限移譲を訴える方が説得力も増しますよね。
CADENAに依頼したのは、一言でいうと「実業型」だったからです。組織づくりという概念的な話だけではなく、目標達成のための営業のあり方まで視野に入れてくれていた。ビジネスが分かっているという点を重視しました。(谷)

創業ストーリーを紐解き自ら計画を立てることで、マネジャーに自覚が発芽した

経営陣とマネジャー候補で創業のストーリーを紐解き、これから大切にしていく価値観を対話することで、経営目標の意味づけと事業計画との紐づけを行いました。
そこから計画のアクションプランを立てたのですが、最初はディスカッションでもあまり意見は出なかったです。そこで、役員を抜いてリーダーのみでワークフローを設計してもらいました。苦労をしている面もありましたが、ここでマネジャーの自覚意識が芽生えたような気がします。(野村)

私自身このプロジェクトでマネジャーになったのですが、ワークフロー作成は良い機会になりました。これまではプレイヤー意識が強かったですが、このプロジェクト中にマネジメントをする意識が芽生えてきました。他のマネジャーもそうですが、ポジションに就いたことで、自らが業務をするだけではなく、メンバーへ任せる立場になったと自覚しました。(水澤)

横連携の意識が芽生え、チームを越えたコミュニケーションが自然発生するように

プロジェクト後は、横断的なコミュニケーションが増えたと感じます。横連携を通じて全社的なつながりを感じるようになりました。(谷)

リーダーミーティングなど話をする機会が増えました。リーダー自身もプロジェクトを通じて経営や事業の観点が芽生え、自然と横の部署とつながったり話しあう機会が増えています。(野村)

視界が見えやすくなった印象があります。案件の優先順位も今までは「営業」という観点が強かったのですが、単なる商材売りではなく、プラットフォームビジネスの意識が生まれていきました。プランナーの視点が培われたと思います。(水澤)

さらなる事業のスケールに向けて、現場のマネジャーがいかに機能していくかが鍵

引き続き、会社としては高めの目標設定をしています。経営者ひとりができることは限られているため、組織でしか達成できない数字に挑戦するフェーズに入ったと感じています。マネジャーが経営陣と同じ青写真を見ながら、マネジャー主導で計画を立て達成する動きがうまく軌道に乗るかが鍵だと思っています。(谷)

数字の後押しがある時期にプロジェクトを推進できた意味は大きいと思います。ここで終わりではなく、今後は部分最適ではなく全体最適で進めていきたいです。プラットフォームで収益を上げるビジネスモデルなので、営業や小売りなど個々の連携を意識するような視座の高さが必要になってくるでしょう。(野村)

現場に権限移譲されたことは、ある意味チャレンジです。経営陣の良いところを盗みながらも、現場主導で実行できることはやっていきたいと考えています。また、新卒採用も組織が成長するきっかけになると思います。新卒を育てる経験を経ることで、さらに会社がスケールアップするチャンスだと感じています。(水澤)